私の理想のキーボード環境って

Keyboard
■前置き

実な話ハイエンド系のキーボードは手が出ないというか、ほとんどがグループバイなわけだから、欲しいと思ったときに容易に手に入るものでもない。現実的にはAliExpressでの入手がほとんどになるんじゃないかと。そんな中で自分に合ったキーボードってなんだろう、そして入手したきっかけやなにならをメモっておこうかと思う。こんなへんぴなブログまで見に来る人はそうそういないとは思うが、自ら進んで沼へ入ろうとする人の参考に少しでもなれば幸い。

私の場合、初めて仕事で使ったキーボードは、なんとタイプライターだったりする。当時は1980年代でアメリカ西海岸。レターヘッドってなんだよって思う人が多いと思うけども、実際にレターヘッドを使って1~2年は仕事してたかと思う。その後、会社にパソコンが導入されたのをきっかけに(DOSもWindowsでもなくなぜかMac。たぶん最初からLocal Talkが準備されていたのでアメリカの会社としては導入しやすかったみたい)、US101キーボードの生活が長かった。MacOSは4.2だったような気がする。もちろんフロッピー起動。

数年してから日本へ帰国、そこではじめて日本語が使えるOSやキーボードを触る機会があったのだけど、正直いまだに日本語キーボードの使い方すら分かっていないほど音痴。

今となってはもちろん日本語を打つことがほとんどなのだけど、やっぱりキーボードはUS配列じゃないと使えない身体。そのお陰でIMEの切り替えも「Alt-`」から動かせない人になってしまっている。そういう特殊な身体なのである。

いやまて。そんな格好いい話でもないな。よくよく思い出してみると、渡米する前には日本でMSXパソコンを使ってたんだった。ゲームとMIDIがいじりたくて。そして帰国後は文字を使う仕事だったので、ワープロ専用機とかいうものを使っていた時代もあった。シャープの書院だったかなぁ。打って印刷して原稿を紙で納品っていう今では考えられない形だったかも。そういう意味では日本語キーボードをローマ字で使ったような気もするけど、もちろん今の標準的な日本語配列とは全然違った気がする。

■メカニカル

それはそうとて、これまで何台くらいのキーボードを使ってきただろう。自作やラップトップの台数よりもだいぶ少なく数えるほどでもなかった。そしてほとんどがメンブレン。メカニカルを使ったのは東プレのRealForce(ドームをメカニカルと言っていいのかわからないけど)くらいで、正直Cherry MX軸すら触ってこなかった。最初のきっかけはたぶんMASSDROPを何気にWebで発見したときだったんじゃないかと思う。おー、かっちょいいなぁと思いつつそのままスルーしてたのが多分2年くらい前。

身体を壊してしまった2019年の夏以降、静養しつつ自宅にいることが多くなり、1日のうちキーボードの前にいることが9割くらいになっている。そう、キーボードが私と世間をつなぐインタフェースなんで大事よっていう。そう思うと愛おしくなってくるじゃないですか。思い立って自分に理想のインタフェースを持とう。それが時分にとっては大きなきっかけ。

■直前までのキーボード

これもやっぱりメンブレン。US配列じゃないと困るのでロジクールでは買えず、海外輸入で本家Logitechを購入すること数台。なんとなくつまらないのでタイピング目的勢には安価で人気のよかったHP Wireless Elite Keyboard v2をこの2年ほど使ってきた。じゃ何が不満なんだろうか。それは2つ。ひとつは図体がでかいこと。ロープロファイルといってもフットプリントはそれなりに大きい。実は商品撮影のほとんどをデスクの上で行っていたので、毎回キーボードをどかして立て掛けておく。そして倒れる→傾斜角用の足が折れる→3Dプリントして付ける。のループが何度か起きていた。そしてもうひとつの不満がこれ「なんかつまんない」

よし前に見たMASSDROPをもう一度みてみよう。なになに。CTRL、ALTとかかっこいいじゃない。でもなんか高そう。そして有線かぁ。このあたりが沼の入口へつながっていたのであった…

■沼、そして深みへ

MASSDROPはDROPに変わってた。そしてGroup Buyを見ても過去のものばかりが多くて、選択肢というものがない。日本語配列じゃないと考えるとやっぱりRedditかなぁ…、と検索してみると、思いっきりあるじゃないですか。って当たり前なんだろうけど。そして情報量が多いのなんの。早速「r/MechanicalKeyboards」をInoreaderにRSS登録してみると、1日の投稿数が40~50くらい、つまりスレが40~50毎日立っているようなもので、これはなかなか情報量多いぞと。

読み耽ること1週間ほど。だいたい筋が見えてきた。

Redditのr/MechanicalKeyboardsは、Newb度70~80%くらい。自作したり、超ハイエンドなGroup Buy、さらには突っ込んだ玄人話は、どちらかというとGeekhackと呼ばれるForumがメイン(geekhack.org)こちらはグッとNewb度が低い感じだった。ただし、QMKと呼ばれるファームウェアなどの話になると、案外Redditも使われている。他のsubredditも色々あるんだろうけど、そこまでまだ手が回ってない。

開発まわりはというと、メインがプロセッサにAtmelのmega32系やSTM32っぽい。パーツでキーボード基板(pcb)を買った場合にこれらのチップが載っていたり、自作キット系などでも、mega32u4を載せたMicro Pro基板などが使われている。

いずれも開発環境は「QMK Firmware(docs.qmk.fm)」がほぼ使われているいる。Githubからクローンしてコンパイル、書き込みまでできるわけだが、もちろん素人の俺にはハードルがめっちゃ高かった。なんとかいじってはいるけども、実はもっと簡単な方法もある。

簡易的なQMK Configurator(config.qmk.fm)というWebインタフェースを使ってファームウェア作成まで行うことができる。そして、チップのブートローダーへの書き込みにはQMK Toolboxを使えばよく、エディタでコーディングをすることもなく完成させることができるのが実は魅力だったりもする。高度なTap Danceなどのキー複数回押しで発動させたいとか言い出すと、生コードをいじることになるけども、それは理想のキーボードがそういった高度なキーマップを必要とするかどうか次第である。あ、もちろんあとはQMK FirmwareにリストされていないPCBを使う場合には、このConfiguratorを使うことはできない。

結局はPCB次第。あとはVIAというコンフィギュレーターもあって、先日アップデートされたデモを見た感じではいちいちファームウェアへ書き込まなくても、コンフィギュレーターのUIでダイナミックにその場でキーマップの変更までできる優れたやつだった。ただし、対応していPCBがハイエンド系に絞られているらしく、俺のような一般人には関係ない話なんだなと涙を拭ってそっ閉じした。ただ、地道にQMKのからのポーティング開発は始まっているようだ。先の長い話である。

これらを中心としたコミュニティがあり、そのまわりにショップ系、レビュワー系などが渦巻いている状況だ。

よし。ではちょっとここらでまとめておこう

理想のキーボードどこいった

そうだった。また悪い癖でまずは市場の把握から入ってしまった。冷静に考えみよう。

まずはサイズを決めないと始まらないっぽい。100%に始まり30%、40%とかまであるし。ここはファクター単位考えてみよう。

  • テンキーは必須なのか
  • F1~F12のファンクションキーは必須なのか
  • 矢印キーは必須なのか

この3要素が大きさを決める。俺の場合は仕事をやめちゃったわけだから、この際テンキーはなくてもそんなに苦労しないだろうと割り切る。もし、どうしても欲しくなったらテンキーだけのキーボードを作るなり買えばいいんじゃないかと思う。

ファンクションキーについてはジャッジが必要。例えばWindowsのデスクトップでファイル名を変更しようとすれば、無意識に選択してF2を押している。文字入力のカタカタ変換もF7だ。あれ、Ctrl+F4もよく使うな。あれ、必須なんじゃん?うーん、一応そうだといいうことにしておこう。

次にカーソルを動かすための矢印キーを単独で持つのかどうか。これは必須だった。文章の編集でも使うし、表計算(あんまり最近しないけど)、夜中にNetflix見ているときボリュームを変えたりにも片手で使いたい。一応ここは必須って考えてみておく。

さて、これで一旦答えは出た。はずだったんだけど…

ファンクションキーと矢印キー必須なら75%のTKLキーボードになる。でもこれだとフットプリントとしては25%削減のみ。なんか面白くない。その下になると65%、さらに60%だけど、これだとファンクションキーさえ諦めれば残りの2要素はキープできる。

主な選択肢はここらになるけども、40%は数字どころか「!」「*」などのよく使用する記号までもモディファイヤーキーが必要になるため、選択肢からは落とした。40%キーボードをディスる気はまったくなくて、結局キーボードは職業や多用するキー次第で個々に要求が異なるので、人それぞれ時分のエンドゲームは自分だけのもの。むしろ40%のVortex Coreは購入はしてみて体験済みでもある。その上でメインのキーボードとしては慣れるまでの時間と自分の寿命を考えて今の選択肢からは落としたということ。

60~75%が自分の現実的な選択肢にはなるのかなぁと思うけど、やっぱりこう見ると75%はまだ大きいなぁとも思う。そんななかで際立っていたのがCoreと同じVortexのRace 3。これは75%ながら幅が一般的な65%よりも小さいかも知れない。やっぱり我慢できなくて買ったのでCoreとの比較を写真に収めた。

Race 3はDSAキーキャップと相まって非常にコンパクトなのは間違いない。写真は撮らなかったけども実は中古で購入したので分解した。スイッチはdesolderしてZilents V2に取り替え済み。キーが多いのでキーマップをいじる必要性はほとんどないのが幸い。ファームウェアをアップデートして一応簡易的な切り替えアプリなんかは存在する環境でもある。これでいいんじゃない?っていう気持ちも少しだけあった。

確かに悪くはないんだけど、2つほどネガティブ要素がある。ESCとDeleteキーのサイズが特殊な1.5Uのため、これの代替はほぼ見つからない。キーキャップを好みのものに変えようと思ってもそのが無理。そして価格。RGB版ともなるとUS Amazonで$158。日本で正規に売られていないため輸入すると2万は超えるかなと。私のは中古だったため安かったけど、角度調整用の足がなかった&カラーキーがなかった。全然OKだけど。何もなかったらRace 3でいいとは思う。けどカスタマイズしたり弄り倒すようなモデルではない。

さて、すんごい長い話になったけど、結局65%に心がほぼ決まり、そしてRedditで見つけた遊舎工房さんが秋葉原付近にあることを知る。よし、一度行ってみるしかないだろう。思いの丈をぶつけてきてみようとしたのが11月の終わり頃のことだった。

遊舎工房

家から車で30分ほどだった。退院してからこんなに家から離れるのは久しぶり。ちょっとドキドキしながら扉を開けた。なにやら独自な空気が流れ、店の中では自作している人たちまでいる。商品を物色していると、ほとんどがセパレートタイプ。こ、これは沼にハマってからにしようと思っているやつなのでひとまずスルー。となると、自分が求めているようなものはほぼ見当たらない。あれ、おかしいな。どうすればいいんだろう。やっぱり聞いてみるのが一番いいだろうということでお店の方に声を掛けてみる。

「自分に合った英語配列のキーボードが欲しいんですが、65%くらいの…」
「あー、ないっすいね。うちには60%しかないっす」

決まってしまった(笑

こんだけ色々悩んできたものの買えないんじゃ意味ないわけで。そして前述の私のとっての条件をお話してみると。それだったら60%で矢印キーを組める配列にすればいいんでないかなとのこと。おおう。もうこれで完全に心が決まってしまった。

そこで出してきていただいたのがDZ60RGB。ホットスワップということでスイッチを色々試したい私にとっては好都合。プレートにはブラスをオススメされたんだけど、ちょっと真鍮を加工したりする仕事などもしていた関係で、匂いにやられた経験からこのときはアルミを選択してしまった。理由を聞いてみると音がいいと。なんでそのままお店の方の言うとおりにしなかったのかわからないけど、結局後日またブラスプレートを買うことになったのは内緒w

スイッチは初めて組むので標準的なCherryでサイレントなピンク軸を選択。ケースはとりあえず購入できそうなものということで、木製とロープロファイルのアルミを両方選択。キーキャップはそれほど選択肢がなかったようで、在庫のあるSAのものに決めた。ざっといきなり揃えることになったのだけど、またいつ来れるかわからないし、ひとまず選択で間違いたくなかったのでお店の方の言われるままに。スタビライザーとLubeも適当に。

キーマップの設定やなにやらはどうすればいいんだろうか…。お聞きしてみると、なんでもできますよとのこと。えーと(汗 何から見ればいいかひとまず検索するワードとかもらえませんかね…。「QMKで検索してください」と。

そうですよね…、そうですよね…。まぁいいか。

その結果、出来上がったのがこれ

何もわからないスタートだったにしてはうまく行った。その話はまた別で。

以上、かなり長い文章になってしまったけど、これが自分の理想のキーボードを求めてみた結果手にした初めての自作キーボードでした。ちゃんと矢印キーもついてるでしょ。そしてこれが沼のまだ入口付近でしかなかったわけです…。

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